腎がん手術後の経過 No.6
- 術後1日目(手術翌日):高熱にうなされる
- 術後2日目:最も痛くて辛い1日
- 術後3日目:尿道カテーテルを外し、自力でトイレまで往復できた
- 術後4日目:ドレーンを外し、院内のコンビニまで往復できた
- 術後5日目:祝! 術後初ウンチ
- 術後6日目:急遽退院可能となり、恐怖の帰宅チャレンジ
2021年3月2日、腎がん(T1bN0M0, 淡明細胞型)のため、左腎部分摘除術を受けた。術後の経過を備忘録的に記録に残す。
術後1日目(手術翌日):高熱にうなされる
- 寝て起きて…と言うより、意識があるかどうか…の方が近いかもしれないが、ただただしんどくて、ひたすら横になっていた
- 食欲もなく、食べたのはフルーツぐらい
- 先生から「復帰を早めるためにも歩けるなら歩いてください」と言われたので、ナースの付き添いのもと歩くことにチャレンジ(痛いのでめっちゃ怖い)
- そもそも身体を起こしてちゃんと座れない。少しでも動くと激痛なので、まずはベッドの昇降機能を使ってなんとか上半身を起こす。次に身体を捻って足をベッドの外側に出し、靴を履き、立ち上がるという単純な動作ですら、激痛のためうまくできない。20mぐらい歩いたが、血の気は引き、冷や汗もダラダラと流れ、呼吸はハァハァとかなり乱れ、かろうじてベッドまで戻ってこれた。全てのプロセスが激痛だった
- 歩き終わった直後から吐き気が強くなったが、横になったまま休んでいるうちにおさまった
- その後、急に身体がガクガクと震え出し、震え寒気を感じはじめ、その後39度以上の高熱となる。抗菌薬を点滴をしてもらってから、いったん熱は下がるが、また夜にも39度以上となる
- 全身が管だらけの中、高熱にうなされ、傷口は激痛で、ずっと横になっているため腰痛もキツく、かといって寝返りも痛くてできず、空腹だが食欲がなく、かつ夜中も全然眠れず長い夜を過ごす、という地獄のような状況
術後2日目:最も痛くて辛い1日
- ますます心身ともにボロボロの状況になってくる
- 食事は無理して1/3ぐらい食べる(食欲がないのと、不味いのと…笑)
- 平熱に戻ったので、もう少し歩けるようになるため再チャレンジ。しかし、病室を出てすぐぐらいのところで足が動かなくなった。前日同様に、あまりの激痛のため、血の気が引き、冷や汗も呼吸も乱れていたが、ナースが私の異変に気づき、すかさずSTOPが入ってチャレンジ終了となる
- ベットでしばらく横になれば痛みが落ち着くと思いきや、なかなか痛みがおさまらない。むしろ手術日や翌日よりも、術後2日目の方が手術部位が痛かった
- 再度高熱になってしまい、歩いた後は発熱するという嫌なジンクスができてしまう
- 痛みを感じた時は、ボタンを押せば、背中の硬膜外に鎮痛薬が届いてくれるはずだが、押したからといって痛みの変化は感じない
- 書籍も持ってきていたが、読む気力は全くないため、ボーっと観れるドラマを視聴するものの、痛くて楽しめない
- 傷口や寝返りをうてない腰の激痛に耐えながら、眠れない長い夜が続く。一日23時間55分ぐらいベットの上で横になっているのは、さすがに腰が割れるように痛い。寝返りをうてないのは致命的だ
術後3日目:尿道カテーテルを外し、自力でトイレまで往復できた
- 朝8時ごろ、6〜8名の先生+ナースがいつものようにゾロゾロとやってきて、私のベッドの周りを取り囲む。尿道カテーテルを外すとのことなので、ズボンをおろし、固定していたテープなどを剥がされ、いよいよ尿道口に入っていたカテーテルを引き抜かれる。ものすごい痛いだろうなと思ったら、全く痛みは感じず、ただただ気持ち悪い(笑)カテーテルを抜く時、デロデロって、先っぽから抜けていく感覚がなんとも言えない。同時に、病棟のトイレまでまだ歩けないのに、カテーテルを抜いてしまったことに強烈な不安があった。
- もう引くに引けない状況なので、トイレまで歩くことチャレンジすることにし、なんとかたどり着けた。単におしっこするのではなく、蓄尿する必要があるため、おしっこをわざわざコップに採り、所定の袋に取り貯めなければならない。こんな単純なことでも、とにかく痛いので、冷や汗をかきながら、なんとかやり遂げた。すごい達成感(笑)
- 相変わらず続けて座ることも、立つこともできないため、またベットの定位置に戻るしかない。何もすることはないので、ドラマや映画は見放題というのは贅沢な話なはずだが、結構しんどいので、思ったより楽しめない。
- 食欲もまだ戻ってこない(1/3〜1/2程度を食べる)
術後4日目:ドレーンを外し、院内のコンビニまで往復できた
- 早朝に、大勢の先生たちがやってきた。いつも嵐のようにやってきて、嵐のようにすぐに去っていく。今朝は脇腹から出ているドレーンを引っこ抜くことになった。身体を横に向けた後、処置をしてくれているが、これがかなり痛い。ただ、すぐに終わってくれたので助かった。気づけば、背中に入れていた管も同時に抜かれていた。私の体に繋がった管が抜けていくのは、やはり嬉しい
- 今日はさらに距離のある院内のコンビニまで歩くことにした。トイレの往復を1の距離とするなら、これは10ぐらいの距離があるような感覚だ。途中でへばっても困るので、ナースに付き添ってもらい、無事に買い物を済ますこともできた
- もうしばらく風呂に入ってないので、身体中気持ち悪い。さぞ、他人に迷惑をかける異臭を放っていてもおかしくない(笑)一応、自分で持ってきていたボディペーパーで身体を拭いていたり、ナースがあったかい濡れたタオルを持ってきてくれるので、多少は汚れを落としていたつもりだが、風呂に入れないのはかなり不快だ。そしていよいよ手術後、はじめてシャワーを浴びることができる
- シャワー室に辿り着くまででも体力をかなり消耗したが、さらに自分で服や下着を脱ぐ動作もかなりキツイ。シャンプーで頭を思いっきりゴシゴシしたくても振動が痛いので、ハァハァ言いながら弱い力で洗髪している。鏡で初めて手術した傷口を拝むことになったが、20cmぐらいズバッと切られた痕があ理、これがかなりグロい。なんとかシャワーを浴び、またベッドに戻るが、やはりシャワーを浴びるとかなりリフレッシュして気持ちいい。術後、最も回復したことを実感できた瞬間だった。
術後5日目:祝! 術後初ウンチ
- もともと規則正しく毎日便があるタイプなのだが、術後、なかなか便が出なかった。下剤なども飲んだり、コンビニで買ったヨーグルトやフルーツなどを食べたり、食事も極力取るようにしていたがうまくいかなかった。しかし、この日にようやく便が2回も出て、すごく安心した。
- トイレや、朝と夜の洗顔、シャワーを浴びることなどができるようになった。前日よりもさらに体力は回復してくる。しかし、これはかなりの痛みに耐えながら、なんとか強引にやっている感覚である。そのためトイレ往復で頑張った後は傷口が熱く痛いので、しばらく横になって身体を休めて…を繰り返している状態である
- ここにきて精神的にもようやく落ち着きはじめ、書籍を読む気力が戻ってきたので、読書を楽しむことができた
術後6日目:急遽退院可能となり、恐怖の帰宅チャレンジ
- 2021年3月8日(月)早朝、またいつもの大勢の先生達がベッドサイドへやってきた。経過は非常に良好とのことなので、今朝の採血結果次第では退院できるとのことだ。もちろん明日以降の退院でも問題なく、どちらがいい?とフランクに聞いてくれた。私に繋がっていた管は全て取れているので、このまま病院に残らなければならない理由はない。一番の不安は、病院から自宅までたどり着けるかどうかだったが、急遽退院することを決断した。
- 朝ごはんを食べた後、すぐに退院できるように荷物をまとめ、血液検査や医師の判断を待った。結果的には大きな問題はなかったので、午前中に退院することになった。退院時処方や会計など必要な手続きを全て終えた(実は必要な書類を受け取ってないことにあとで気づいたが、まだ病院からの連絡はない)
- 妻に病院まで来てもらい、病院→タクシー→電車→乗り換え→電車→徒歩→自宅の約1時間、なんとか痛みに耐えることができた。
- 当たり前だが、自宅は最高に落ち着く。子ども達の顔を拝めるだけでも幸せを感じる。また、愛用のシャンプーやリンスを使えたり、美味しいゴハンが食べられたり、素足で自由に歩けたりなど、病院と比べて自由度も高いので、無理してでも帰って来てよかったと感じている。
ではまた〜。